「一般定期借地権付きの建物の新築」という広告を見たことがあります。そろそろ借家から出て、住宅を建てたいと考えています。一般定期借地権とはどのような権利なのでしょうか? | |
期間満了後に土地返還 一般定期借地権(借地借家法第二二条)とは、平成四年に施行された新借地借家法で認められた権利です。従来の借地法では土地を一度貸して借り主が建物を建てると、なかなか返してもらえないという場合もあり、土地を貸す人が現れないという弊害があったようです。 そこで50年以上の存続期間を定めた場合、期間満了後は、必ず土地を返すことを内容とする借地権制度が生まれました。 借地権契約は公正証書などの書面で次の事項を借地契約の中で特約することができます。 (1)契約の更新がないこと (2)建物の築造による借地権の期間の延長がないこと (3)借地権者の建物買取請求権がないこと 少し、難しい表現になってしまいましたが、要するに土地を借りて建物を建てた人は期間満了後、建物を取り壊して、借りた土地から出ていかなければなりません。 30歳で土地を借りて、建物を新築し、50年後の80歳の時に建物から出ていかねばならないというのは一面、大変なようにも思えます。しかし、一般的な会社員の場合、土地を購入した上で建物を新築するとなると相当の負担です。ローン返済を考えると従来通りの借家で我慢しなければならないことになります。 ところが、一般定期借地権の場合ですと月々の地代と建物分の住宅ローンですみます。つまり、従来の家賃に少し上乗せすれば、マイホームが手に入る可能性も出てくるわけです。 土地は自分の物になりませんし、建物も取り壊して退去するというのが一般定期借地権です。しかし、支払い能力の範囲で、50年間を快適なマイホームで暮らすか借家住まいを続けるのかは、それぞれの判断になると思います。 |