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会社でセクハラにあった!

会社でセクハラにあった!

セクシャルハラスメント(以下、「セクハラ」という)は、一般に、相手方の意に反する性的言動をいいます。そして、その類型は対価型と環境型に大別することができます。
 対価型とは、セクハラが行なわれた際の女性労働者の対応が原因で、当該女性労働者が解雇、降格、減給等のように会社内で不利益な処分を受けることをいいます。
 環境型とは、セクハラによって、女性労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じることをいいます。たとえば、?事業所内で事業主が女性労働者の腰、胸等の身体に度々触ったため、当該女性労働者が苦痛に感じてその就業意欲が低下していること、?同僚が取引先において女性労働者に係る性的な内容の情報を意図的かつ継続的に流布したため、当該女性労働者が苦痛に感じて仕事が手につかないこと、?女性労働者が抗議をしているにもかかわらず、事務所内にヌードポスターを掲示しているため、当該女性労働者が苦痛に感じて業務に専念できないこと、などがあげられます。
 職場でセクハラがおこなわれたときは、まず、当該女性労働者は、「そのようなことは不快であるのでやめてほしい。」との意思表示を行なうことが必要です。直接、加害者に対し意思表示をすることが困難なときは、信頼できる同僚、上司等に相談し、加害者に対し間接的にでも不快であるとの意思を伝えるようにしてください。
また、会社内等にセクハラ相談窓口があれば、その窓口に相談し、さらに労働局に設置されている雇用均等室に相談することもできます。
 それでも、加害者からのセクハラが止まないときは、加害者に対し、損害賠償の請求をすることができます。セクハラの損害賠償の額は、一概にはいえませんが、数十万円から数百万円の間で認められることが多いようです。さらに、セクハラ行為が名誉毀損、強制わいせつ、強姦など犯罪行為に該当するときは、加害者を告訴することができます。
 また、会社にはセクハラを防止する義務がありますので(男女雇用機会均等法21条)、当該女性労働者が相談したにもかかわらず、会社が何の対策もとらなかったときは、会社に対しても損害賠償の請求をすることができます。
 セクハラをうけた女性労働者が会社に相談した際に、会社が誠実な対応をとらなかったがばかりに、さらに当該女性労働者が傷つくというセカンドハラスメントが生じないよう、会社にはセクハラ防止に向けた体制作りが望まれます。
 実際にセクハラの被害をうけてしまったときは、その内容を日記等にして記録しておくことをお勧めします。加害者に後で言い逃れをさせず、また、訴訟になった際の有力な証拠ともなるからです。さらに、メール内容を保存しておいたり、電話の通話内容を録音しておいたり、できる限り客観的な証拠を残しておきましょう。
 セクハラ被害が深刻になるほど、被害者である女性労働者は、セクハラの事実を公にすることをためらうことが多いようです。しかし、セクハラは重大な人権侵害です。放置しておいてよいはずがありません。
司法書士等の法律専門職には守秘義務がありますので、周囲に相談しても止まないセクハラをうけたときは、できるだけ早い段階に司法書士等にご相談ください。

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